3分リーディング

3分間で1冊の本の内容を把握できるように書きます。雑誌についてもたまに。

21.深夜特急1-香港・マカオ-(沢木耕太郎・新潮文庫)

本業が忙しく、投稿頻度鈍っていました。
これからは"毎日投稿"を目標に、ビジネス書・小説・雑誌をご紹介していきます!

久しぶりの投稿となった本日は、ノンフィクション小説にしてバックパッカーのバイブルともいえるこちらの1冊をご紹介。

<要約>
フリーライターの沢木氏は26歳の時、仕事をすべて放り出し、身の回りの金を集めるだけ集めて、香港から始まる長旅に出るーー本書はそんな氏の長旅の出だしとなる、香港とマカオでの様子を綴った1冊だ。
本書が刊行されたのは1986年。当然、国内外の状況は2019年現在と大きく異なる。何なら、小生の親世代が20代くらいの時代であるから、隔世の感があるものだ。
実際小生もこの本は父から渡されて手に取ることになった。大学入学時に渡されたものを、読むことなくこれまで手元に置きっぱなしにしていたのだが、それを強く後悔した。
小生も大学時代はタイ・フィリピン・マレーシア・香港・マカオなどに繰り出し、バックパッカーの端くれみたいなことをやっていたものだ。特に本書の舞台となっている香港・マカオは個人的にも楽しい思い出がいっぱいの土地であり、沢木氏の隣で旅行しているような感覚に襲われた。
氏のように、仕事も何もかも全て投げ出し、旅に出てみたいものである。(これは、誰しもあこがれることなのではないか。)
このような人生の選択肢があることに羨望の意を感じつつ、「自分ももし沢木氏とおなじような旅に出たとしたら、、」という妄想を膨らましながら読むことで本書の面白さは2倍3倍にもなるだろう。

深夜特急1?香港・マカオ? (新潮文庫)

深夜特急1?香港・マカオ? (新潮文庫)

 

 <本文抜粋&所感>
小説系なのでビジネス書程にはないが、印象に残った文章を記していく。

  • アパートの部屋を整理し、机の引出しに転がっている一円硬貨までをかき集め、千五百ドルのトラベラーズ・チェックと四百ドルの現金を作ると、私は仕事のすべてを放擲して旅に出た
    →痺れる文章。強いあこがれを感じる。小生も思わず旅に出ようと思った(だけ)
  • 私がかつて大学で経済学などというヤクザな学問のシッポをかじりかけていた時
    →純粋に言い回しが格好いい
  • (香港で英語がうまくなったような感覚を覚えたことに対して)大事なことは、実に平凡なことだが、伝えようとする意があるかどうかということだ
    →これは真理をついていると思われる。結局言葉はどれだけ伝えようとする気持ちがあるかのみにかかっている