3分リーディング

3分間で1冊の本の内容を把握できるように書きます。雑誌についてもたまに。

20.IPOは野村にきいてみよう。(野村證券公開引受部・ダイヤモンド社)

先日、ZOZO前澤社長が退任し、Yahooに保有する株式のほとんどを売却することが発表されました。その額2000億円以上とのことで、うらやましい限り。。
今回はそんな起業家が目指す地点の1つ、IPOについて知りたいと思い、こちらをご紹介します。

<要約>

野村証券公開引受部がIPOについて記した1冊。

といっても、具体的なIPOのノウハウやテクニカルなトピックは一切出てこず、実質的には野村の武勇伝集となっている。これまで野村がIPOの主幹事を担当した代表的な企業の経営陣や担当者のコメントを中心に、「如何に野村がすごいか、如何にIPO主幹事証券会社の中で優れているか」をひたすらに語りまくるポジショントークの1冊。ちなみに、登場するIPO対象会社はGunosy、TKP、M&Aキャピタルパートナーズ、じげんで、いずれも野村が主幹事を担当した模様。
野村證券IBDを考えている就活生は読んだら受けたくなるかもしれないが、単純にIPOに関して知りたいという人にはオススメできない。
個人的には「土砂降りの中で出待ちして経営者に意見した」等の野村イズムという単語が何度も出てきて寒気がした。

そうは言っても以下、新たな発見があったセンテンスを備忘しておく。

IPOは野村にきいてみよう。

IPOは野村にきいてみよう。

 

<本文抜粋&所感>

  • たとえいま、どんなに小さな会社でも、現時点では十分な売上や利益が立っていない会社だったとしても、将来IPOを実現できる可能性はあります。
    →野村のポジショントークかもしれないが、IPOを諦めるのは筋違いかもしれない
  • 一般的には、準備開始からIPOまでに2~3年程度の年数を要します。(中略)上場を申請するためには金商法に基づいて原則として監査法人等による2事業年度以上の財務諸表に対する監査証明を受けなくてはなりません。
    →上場を考える企業の社長にとっては常識だろう。監査法人の選定も重要になってくるはずだ
  • 公開価格は、①想定公開価格の決定、②ロードショーの実施、③仮条件価格の決定、④ブックビルディングの実施という4つのプロセスを経て決定
    →②のロードショーとは主要な機関投資家等を直接訪問して事業計画を説明し、出資を募ること。④ブックビルディングとは仮条件価格をもとに機関投資家の意向を反映し、適正価格を決定するプロセス。意外と知られていないのではないか。
  • 野村グループでは、そうしたIPO準備への前段階のステージにあるスタートアップやベンチャー企業の育成を支援するサービスも提供しています。(中略)N-Villageは、野村グループの既存の金融サービスを根本から変えてしまうような新しいサービスの調査や開発、野村グループ内に新しいビジネスの種を育てるための環境開発の提供などを目指して設立された新会社です。
    →野村GにはN-Villageの他にも野村R&AというIPOを検討している未上場企業を対象としたBDDを手掛けるコンサルティング会社がいるらしい