9.考える技術・書く技術―問題解決力を伸ばすピラミッド原則(バーバラ ミント (著),山崎 康司 (翻訳)・ダイヤモンド社)
前回のExcel本とうってかわり、ロジカルシンキング系に戻ったこの本
<要約>
言わずと知れた名著でしょう。コンサルタントを志す者/コンサルタントになった者なら一度は手に取ったことがあるはず。手に取っていないのであれば、必ず一読するべきです。
世の中にはロジカルシンキングや問題解決系の本がありふれています。おそらくAmazonでこの手の本を検索すると山ほど出てくることでしょう。
しかし、世の中に溢れているこれらの本の内容は、結局この1冊に集約されると思います。99年に出版されて以降、現在でも多くの人の手に取られていることは、本書の内容が真理をついていることの証左でしょう。
やはり、このような古典を手に取ることは、そのへんの軽い自己啓発本やスキル本を手に取るよりも一万倍ためになります。
- 作者: バーバラミント,Barbara Minto,山崎康司
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 1999/03/01
- メディア: 単行本
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<本文抜粋&所感>
- 人間の頭が短時間で一度に記憶しておける事柄は、せいぜい7つまで
→よく言われるのはポイントは3つまでに絞るということですが、最大は7つのようです。ただ、一番良いのはやはり1つに絞ることでしょう。 - すべての知的プロセス(考える、記憶する、問題を解決するなど)は、こうしたグループ化や要約の思考プロセスを伴います
- これ以上できなくなるまでグループ化と要約を繰り返すわけですから、すべての文書は、常にただひとつの考えをサポートするようなピラミッド構造になります(中略)チェックに必要となる3つの鉄則を列挙します
1.どのレベルであれ、メッセージはその下位グループ群を要約するものであること
2.各グループ内のメッセージは、常に同じ種類のものであること
3.各グループ内のメッセージは、常に論理的に順序づけられていること - メッセージの配列には明確な理由がなければならないのです
・演繹の順序(大前提、小前提、結論)
・時間の順序(1番目、2番目、3番目)
・構造の順序(北から南、東から西、等)
・比較の順序(1番重要なもの、2番目に重要なもの、等々) - 導入部は、伝えようとするテーマについて読み手がすでに知っていること、または知っていると思われることをストーリー風に語り、そうすることで、読み手の持っている疑問をもう一度思い起こさせて、本文の中のその答えが書かれているという期待を抱かせる
→提案資料含め資料のストーリー構築時に参考になる考え方。 - こうした例に対する読み手の一般的な反応は、おそらく相づちを打ちながら、「なるほど。確かにそう言えるだろう。それで何なの?(So What?)」となるでしょう。この反応こそが、あなたが次の「複雑化」へと進むきっかけを作ってくれる
- (a)演繹的理由づけでつなぐポイントは4つまでとする、および、(b)「それゆえに」ポイントは2つまでとする
- 「問題」とは、あなたがその結果を好ましく思っておらず(例:売上が低下している)、他の結果を欲しい(例:売上が伸びる)ということ
- 現在の結果と期待していたことの間にはギャップが存在しています。そのギャップが、すなわち「問題」
- 調査者は調査にとりかかる前に、初期のデータ収集作業の方法をよく考えて構造化し、論理的に首尾一貫した調査結果が得られるように工夫する必要があります
- 本来、文書やプレゼンテーション資料を作成するということは、自分の考えを読み手、聞き手に伝える以前に、「自分の考えを練り上げる」ことを要求するもの