3分リーディング

3分間で1冊の本の内容を把握できるように書きます。雑誌についてもたまに。

6.外資系コンサルのスライド作成術―図解表現23のテクニック(山口周・東洋経済新報社)

リサーチの次は、スライドライティングに関する本をご紹介

<要約>

コンサルタントに限らず、仕事の中でPowerPointを使ってスライドを作る機会があるすべての方々に贈りたい1冊。私自身、スライドライティングはあまり得意な方ではなかったので、本書の内容を吸収した上で業務に臨みたいと感じる次第です。
既に知っていて「そうだよね」と感じる内容や上司から注意されたことがある内容が収録されていたため、筋の良いことが書いてある本なんだと思います。

外資系コンサルのスライド作成術―図解表現23のテクニック

外資系コンサルのスライド作成術―図解表現23のテクニック

 

<本文抜粋&所感>

  • 「スライド作成の技術」は訓練によって大変高いレベルに到達できる
  • (スライドの文字のサイズは)基本的に12pt以上にすることをおすすめします
  • まずはそのスライドで伝えたいことを書くというのがスライド作成の第一歩
  • 出所を(スライド作成手順の)3番目という早い段階で書くことを強調する理由は、出所を後で書き足そうとすると必ず忘れるからです
  • メッセージの3条件 ①1スライド1メッセージ、②ポジションを取っている、③短い(=ポイントが明確である)
    (中略)
    若い人を見ていると「分析が出きるけどポジションが取れない」という人が多い。これは非常にもったいないことです。ポジションが取れないと、脇を固めるための分析として次に何が必要かも見えてきません。
  • メッセージ作成の最初のステップとして、「とにかく自分が言いたいこと」を書き出します(中略)次はそれを順番に並べてみてストーリーを作ってみます
    (中略)
    多くの劇作家は同様のアプローチを劇作の現場において採用している。例えば井上ひさし氏は、まず全体のストーリーを作成する前に、劇中の人物に語らせたい「キメのセリフ」を書き起こし、それらのセリフが集まってきたらそれらを並べて場面を作成
    →劇作家のたとえは面白い。言いたいことベースで考えると仕上げやすいということか
  • 欧米人は情報のクオリティによって自分たちの意思決定のクオリティまで左右されることをよく認識している
    →きたる海外勤務の際にはソースの確からしさに十分留意したい。
  • 時計の12時、3時、6時、9時にデータ要素の切れ目が来る際には非常に見やすいグラフになるということなのだが、これは人間の視覚が垂直と水平に敏感に反応するという特性に起因している
    →このような人間の心理学的な面も知見を深めていくとより良いものが作れるのだろう
  • 要素の時間軸でのダイナミックな変化を強調したい場合には「折れ線×積み上げ」が有効
  • グラフや表の場合、フォーカスする方法は「線を濃くする」「シェード(網かけ)をかける」という2つの方法論しかありません
  • 本当に伝えたい一点に絞り込んで、残りは大胆に単純化するか、あるいはスライド上から消してしまう
    →伝えたいポイントを明確化するのはやはり大原則で、そこ以外は大胆に削っていく
  • 英国の「Nature」や米国の「Science」が有名ですが、これらの雑誌に掲載されている論文で用いられているグラフはどれも大変洗練されている(中略)自分で、お手本を真似て手を動かして書いてみることで、初めてコツが体得されていく
    →きれいだと感じるスライドを写経してみるのが上達の近道なのだろうか。
  • 軸はメッセージの主語とあわせる
  • 色は3色まで。基本的にほとんどのスライドは、モノクロで100%の完成度までもっていける