4.外資系コンサルのリサーチ技法: 事象を観察し本質を見抜くスキル(宮尾 大志,アクセンチュア製造流通本部一般消費財業界グループ・東洋経済新聞社)
前回まで仮説思考、論点思考について勉強したため、今回から2回にわたってリサーチ技法について勉強したいと思います。
<要約>
リサーチ技法のいろはをまとめた1冊。リサーチの教科書といってもいい。
アンケート設計を含めリサーチに係る手法を網羅的にかつ詳細に記している。挿入されている図表もさすがコンサルが作っていることもあり綺麗に示されているので、勉強になる。
具体的なリサーチツールにも言及しているため、リサーチを手掛けるビジネスマンは一読しておきたい。
外資系コンサルのリサーチ技法: 事象を観察し本質を見抜くスキル
- 作者: 宮尾大志,アクセンチュア製造流通本部一般消費財業界グループ
- 出版社/メーカー: 東洋経済新報社
- 発売日: 2015/10/02
- メディア: 単行本
- この商品を含むブログを見る
<本文抜粋&所感>
- ①「答えるべき問い」をはっきりさせておく
②可能な限り最初の段階で「答えるべき問い」を絞り込むことが、リサーチを成功させるポイント
→何事も仮説思考。リサーチにおいては調べることよりも考えることが大切。 - 自分なりの仮説を持ち、「その仮説が正しいか否か」という意識を持って情報を見ていかないと、(中略)情報の海に溺れてしまいます。(中略)情報は少なければ少ないほど良い
→私も含め、リサーチ初心者が陥りやすい罠だと思います。厳選された情報と示唆を出すことがリサーチ担当者の使命ではないでしょうか - 仮説を乗り換えることになっても即座に必要な情報を引き出せるように、最初からなるべく広い範囲で調査しておくワークプランを作ることが望ましい
→仮説が外れることはよくあること。その場合を想定して動く必要がある。 - 明確に事実と意見は分けて書く
→コンサルに限らず、ビジネスマンにとって必要な素養ですね - 「どのくらいの時間をかけてどのくらいの結果を目指すか」という投資対効果をイメージする。(中略)例えば、「10分くらいでA市場の主要プレーヤーをリストアップしよう」といった具合です。(中略)Web検索は、あくまでもリサーチのとっかかりのための技法ですから、何時間もかけてやるようなものではありません。
- リサーチに着手してからは常に、「今何がわかっていて、何がわからない状態か」ということを整理するように心がけましょう。情報は無限に増え続けますが、使える時間は有限です。
- 欲しい情報がとれない中途半端なリサーチは、無為に等しい
- Google検索のTips
・filetype:PDF XXX→ファイルタイプを指定してキーワード検索
・site:http://.... XXX→サイト内でキーワード検索 - 3冊の本からでも未知のテーマの知見を得ることができる
→知らない業界について調べるときに、3冊本を読んで共通するキーワードを書き出し、相関関係を図に(必要に応じて追加クイックリサーチ)するといいらしい。キャッチアップの参考になる。 - 業界レポートについては社内の調査部が持っているかどうか確認してみる
→人に聞きまくる行動力はリサーチにおいて大切だと感じます - ソーシャルリスニングのツールTospyは日本語でも検索可能
- eolは最長1984年までの有報を遡ってWeb閲覧することが可能
- 特定の業界についてはまず業界団体をあたる
→経験上からも各業界には業界団体があるもの。そこをあたってみるのは1つ。 - 有報では海外売上比率10%未満の場合は記載しなくてもよいことになっている
→会社法の知識かな。知らなかった。