3分リーディング

3分間で1冊の本の内容を把握できるように書きます。雑誌についてもたまに。

44.シャープ崩壊(日本経済新聞社・日本経済出版社)

何か1企業にフォーカスをあてた本を読みたいと探していたところ、たまたま目にしたこの1冊。シャープが鴻海に買収されたのは少し前の出来事にはなるが、歴史を学ぶという意味でも手に取ってみた。

<要約>
かの名門企業、シャープがいかに腐敗し、いかに転落し、結果鴻海にかわれることにまでなった経緯しるしている。おそらく、日経記者が頼れるだけの人脈を頼って熱血取材したことがうかがえる。情報量もものすごい。
物語はシャープの黎明期までさかのぼる。本書の冒頭には重要登場人物というページがあり、歴代の社長や役員などのプロフィールが記載されている。さながら小説のようだが、これらがすべて事実に基づくというところが興味深い。
結局、シャープの腐敗は内部の歪んだ権力争いにつきる。歴代経営者の経営手腕不足ももちろんあるだろうが、その根源は権力争いにあったのだろう。まさに「人災」だ。
BCG、PWCなどコンサルティング会社が5社入っていたという記述も興味をそそる。十分流し読みできる量となっているため、Kindleでささっと読み流すことをおすすめしたい。

シャープ崩壊 ―名門企業を壊したのは誰か

シャープ崩壊 ―名門企業を壊したのは誰か