3分リーディング

3分間で1冊の本の内容を把握できるように書きます。雑誌についてもたまに。

43.事業計画を実現するKPIマネジメントの実務 PDCAを回す目標必達の技術(大工舎宏・日本能率協会マネジメントセンター社)

<要約>
世の中の解説書には、読者にわかりやすく読みやすいように書かれた解説書ただマニュアル的に項目と要素を並べただけの退屈な解説書があるが、本書は後者だ。
たしかに、タイトルの通り、KPIマネジメントの実務を行う方は手元に置いておきたい1冊だろうが、そうでない人はおそらく読んでも眠くなるだけだ。(実際、小生も眠くなった。)
以前ご紹介した、「最高の結果を出すKPIマネジメント」は間違えなく前者だ。
「KPIマネジメントとは?」「大局的な要諦は?」を知りたい方は、「最高の結果を出すKPIマネジメント」を、「実務的な設定・運用方法は?」を知りたい方は本書を読むべきだろう。

最高の結果を出すKPIマネジメント

最高の結果を出すKPIマネジメント

 

一応要約しておくと、本書で伝えたいことは
前期の計画と実績の総括、今期の市場競合分析を踏まえた上で、各部門ごとの戦略目標→KGI→プロセスKPIを設定。それをベースに、特に重要と思われる取組テーマを抽出し、アクションプランを設定。全社の目標と部門の目標がつながった"戦略マップ"を作成するとともに、KPIの運用ルール(会議体制、振り返りの方法など)を設定する。
設定したKPIを用いてPDCAをまわしていき、さらにKPIの精度をあげていくことの手順が示されている。

 <本文抜粋>

  • 必達目標の明確化
    「期待値」としての目標とは別に「これだけは絶対に死守するべき水準」としての必達目標を合わせて設定するケースがある。(中略)市場での競争環境、全社的観点からの必要利益、他の事業との関係などから、「達成可能かつ高い目標」「勝てる目標」であることが望ましい
  • 定量化が難しい目標については、"いついつまでに行う"という期限の目標でも良い
  • KPI設定の面からは、部門として達成すべきこと、行うべきことの整理が主であり、部門のメンバーである各個人がなにを行うかは、その結果整理できることと捉える
  • 計画と財務面の結果の開示だけではなく、施策の実施結果・実施効果なども開示していくことで、結果に対しての要因分析や施策の妥当性の検証などをより充実した形で示すことができます。