42.最高の結果を出すKPIマネジメント(中尾隆一郎・フォレスト出版社)
<要約>
リクルートの最前線で長年活躍した筆者が、KPIとは何か?から、実務上での設定方法、管理方法までを丁寧に解説した1冊。ある程度分かっている人は序盤退屈かもしれないが、中盤~終盤は価値の高い情報が並んでいる。
KPIはKey Performance Indicatorの略で、KGI(結果指標)の先行指標。
つまり、売上・利益など、最終的に達成したい目標(KGI)を実現するのに必要なプロセス(CSF・KSF)を特定し、その最重要プロセスの数値目標がKPIにあたると。
当然、KPIは複数ではなく、シンプルな数値が1つあるだけ。
われわれが目標設定するのと同じく、KPIも、KGIの目標と現状のギャップの確認から紐解いていく。
設定の際には、現場のオペレーションを加味しているか、つまり、実現可能性があるかまで踏み込んで考えることが重要。また、設定後は全従業員への徹底、すべての意思決定をKPIに基づいて判断できる、という状態が理想。
<本文抜粋&所感>
- KPIはKGIの先行指標
- 最初の2つのステップはKGIの確認と現状とのギャップの確認
- KPIマネジメントは、理想的には、全従業員のものであることが望ましい
→KPIは管理職以上のものと思われがちだが、現場の方々に共通認識をもってこそ機能するものであり、それを徹底していくべき - 起案者は起案内容に加えて、その施策の「振り返り」を「いつ」「誰が」「何を」「どうやって」実施するのかを併せて起案
→作りっぱなしにするのではなく、PDCAを回せる体制を併せて構築しておく必要がある。 - (KPI管理について)私が営業組織を担当していたときに実際に選択したのは、受注率を上げるというもの
→数打てばあたるというが、筆者は打席数を増やすよりも打率を上げる方が簡単だという。 - 人生100年時代を健康的に長生きするためには、筋肉量を維持することが重要
→全く関係ない話題が出ていたが、これはLIFE SHIFTでも語られていた内容。つながってくるね。とにかく運動はマジで大切っぽい。 - 前期数値=前々期数値±特殊要因
→目標数値を設定するときに便利。 - 何をするのかを明確にする際に、現場が実際にオペレーションできるのかを加味して検討することが重要
→アクションプランを机上の空論で終わらせないために、現場レベルでの落とし込みが大切 - 最近流行りのホラクシー経営をしている会社では、すべてのコストを全従業員が閲覧できるようにしているそう
→ホラクシー経営とは、組織における肩書や役職をなくし、トップダウン型の意思決定から分散型の意思決定に移行させる経営組織のことを言うらしいです。いずれにせよ、すべてのコストを閲覧できるようにするのはすごくいい考えですね。各事業でコスト削減しようというインセンティブにつながる。 - KPIマネジメントの究極は、すべての判断をKPIに紐づけられるかどうかにかかっています