41.外資系金融のExcel作成術: 表の見せ方&財務モデルの組み方(慎泰俊・東洋経済新報社)
前回引き続き、Excel本をご紹介。
前回記事↓↓
<要約>
モルガンスタンレーや投資ファンド出身の筆者が、Excelの綺麗な見せ方、モデルの作り方にフォーカスして記した1冊。
以前紹介した「外資系投資銀行のExcel仕事術(熊野整・ダイヤモンド社)」に比べ、より財務モデリングにフォーカスを当てた構成となっています。
この本の良いところは、なんといっても練習問題がついている点。Excelに限らず、この手のツール本は読んだだけでは何も身に付きません。読み、実践してこそ初めて見につくのです。
はじめにさっと一読した後、書籍内に記載されているURLより練習問題をダウンロードして、時間があるときにさっとやってみるのが良いと思われます。
外資系金融のExcel作成術: 表の見せ方&財務モデルの組み方
- 作者: 慎泰俊
- 出版社/メーカー: 東洋経済新報社
- 発売日: 2014/04/04
- メディア: 単行本
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<本文抜粋&所感>
- 一目すればその表が何を意味するのかがわかる表こそ、見やすい表
- 表のタイトルには2割大きな太字を使いましょう
- 行のタイトル項目は2割小さい文字サイズにして、太字にしてあげると、全体の見た目がシャープ
- 見やすいExcelの表を作るための訓練として一番良い方法は、世の中の色々な表を見て、見やすいト思ったものがあったら(中略)印刷したものをスクラップノートに張り付けておくこと(中略)それらの表がなぜ見やすいのかを言語化しながら学ぶと良い
- Alt+Shift+Tabで開いている別のExcelファイルへ移動
- 「*」はワイルドカードで、どんな文字列であっても「=」の後に続くものはすべて置換の対象
- 実績値からKPIを求め、そのKPIを前提として将来財務諸表を作成
- 手元にある過去データはすべて値だけになっていますが、これを値と数式で構成し直す
- キャッシュフローは、(a)「損益計算書上の損益から、現金支出を伴わないものを足し戻すこと」と(b)「損益計算書上に反映されない理由により生じるキャッシュフローの変動を織り込むこと」の2つの計算を行う
減価償却費とのれん償却費は実際の現金支出を伴わない項目ですので、これらの項目を足し戻す - 運転資本の増減による現金増減
=流動資産の減少額+流動負債の増加額 - キャッシュフロー計算書で求めた毎期末の現預金を、BSにリンクさせることにより、ついにPL、BS、CF計算がすべてつながる
- 店舗数は、期中平均(今期と昨期の店舗数の平均)を用いる
- KPIの算出においては、単に機械的な計算をするだけでなく、その裏側にあるビジネス論理に対しても想像力を働かせてこそ、本当に良いモデルを組めるようになる
- BSに関するKPIでは、売上債権と棚卸資産が売上に対してどれくらいの比率であるのか、買入債務が食品原価(仕入額)の何%なのかを計算