3分リーディング

3分間で1冊の本の内容を把握できるように書きます。雑誌についてもたまに。

26.深夜特急6-トルコ・南ヨーロッパ・ロンドン-(沢木耕太郎・新潮文庫)

深夜特急遂に完結編。当シリーズ、長引きましたが遂に完結です。

<要約>
イタリアからフランス(ニース)、スペイン、ポルトガルと渡ったのち、一度パリを経由・滞在してついにドーヴァー海峡を越えロンドンへ入る...という旅の終盤を描いた本作。
感じたのは"人の温かさ"でした。
元々、氏の道中では何人もの親切な人たちが氏を助ける、それも見返りなく親切心で助けるというシーンが印象に残っています。特に、ヨーロッパ編でその傾向が顕著であったように思います。ヨーロッパの方々の人間性なのか、時代が時代だったから(いい時代だったから)なのか、たまたまだったのかはわかりませんが、人のぬくもりに包まれた作品(本巻、ひいては深夜特急全体)だったのだと思います。

ただし、これは全体を通してですが、やはり東から西に移動するにつれて、物価が高くなっている様子が窺えました。
実は小生もだいぶミーハーなところがあり、この深夜特急を読んで旅に出たくなってしまいました。
小生が想定しているのは、仕事をつづけながら行くのは少し厳しいルートで、東京→福岡→対馬→韓国(南から縦断)→ソウル→北京→上海→香港→ベトナム→フィリピン→パプアニューギニア→オーストラリア→ニュージーランド→オーストラリア→インドネシアシンガポール→マレーシア→ミャンマーバングラデッシュ→インド→・・・といった具合に、世界を網羅的に回っていくルートです。
いやー、憧れる。1年、予算150万円でまわる自信があります。

話は脱線しましたが、本作での見どころは2ヵ所です。
1つ目は、ポルトガルの果ての岬、サグレスのモーテルに宿泊するシーン。何よりも印象的なのが、朝起きてカーテンを開けた時に広がる大西洋の描写です。
旅の終わりどころを見失っていた氏が、「これでおわっていい」と思えた象徴的なシーンではないのでしょうか。あのシーンが若者を旅に駆り立てる一因だと思います。
2つ目は、ラストシーン。ネタバレ防止で詳細は語りませんが、ロンドンに到着して電報を打とうとするが…
中々洒落た終わり方をしていて、この超大作のラストにふさわしい、そして、我々を駆り立てるようなおわりかたとなっていました。

巻末の対談は?となりましたが、カジノのシーン、ホステルの描写など、旅のリアルを伝えてくれる作品です。是非ご一読あれ。

深夜特急6-南ヨーロッパ・ロンドン- (新潮文庫)

深夜特急6-南ヨーロッパ・ロンドン- (新潮文庫)

  • 作者:沢木 耕太郎
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 1994/05/30
  • メディア: 文庫
 
深夜特急(1~6) 合本版

深夜特急(1~6) 合本版

 

 

深夜特急1~5の紹介記事はこちら↓↓

tacoreading.hatenablog.com

tacoreading.hatenablog.com

tacoreading.hatenablog.com

tacoreading.hatenablog.com

tacoreading.hatenablog.com